【調剤2】電子レセプトで請求するためには

医薬品コード(マスタ)等の整備が必要です

保険薬局では、調剤行為や医薬品などは薬局独自のコードにより管理・運用されていることがあります。
レセプト電算処理システム(調剤)では、各保険薬局がそれぞれ独自のコードで請求されても審査支払機関で処理することができないため、厚生労働大臣が定めた統一コードにより請求することになります。
そのため、保険薬局の独自コードに統一コードを対応付けするなど、マスタの整備が必要となります。

マスタの整備方法

マスタの整備方法については、大別すると次の2つの方法があります。

医事会計システムのマスタを基本マスタに置き換える方法

医事会計システムのマスタ内部に統一コードを組み込む方法

この方法は、コード体系が変更となるため入力操作等の運用変更が生じますが、マスタの改定作業は不要となります。 この方法は、独自のコード体系は変更しませんが、統一コードとの対応付けの事前作業が必要となります。

傷病名マスタ移行の実例

(レセプト電算処理を導入した病院(480床)の実例))

マスタの種類 概要 主な記録項目
調剤行為マスタ 調剤行為名称、点数等を記録 調剤行為名称・コード、点数、点数計算情報
医薬品マスタ 薬価基準に基づく医薬品、薬価等の情報を記録 医薬品名・コード、薬価、単位
特定器材マスタ 特定保険材料名称、属性、価格等の情報を記録 特定器材名称・コード、規格、価格
コメントマスタ レセプト摘要欄記載情報を記録 コメント文・コード

基本マスタの管理・提供

基本マスタは、厚生労働省と審査支払機関が責任を持って管理しています。そのため、調剤報酬や薬価等の改定に迅速に対応し提供しています。 なお、基本マスタは次のホームページから無料で自由にダウンロードできます。
「診療報酬情報提供サービス」

電子媒体の種類、規格

現在、請求できる電子媒体は、フレキシブルディスク(FD)及び光ディスク(MO)の2種類です。

種類

フォーマット・記録形式

規格 備考
フレキシブルディスク(FD) MS-DOS/CSV形式 JIS X 6225-1995 3.5インチ
光ディスク(MO) MS-DOS/CSV形式 JIS X 6275-1997 90mm230MB

請求手続き

医事会計システムの移行作業が終わりましたら、移行が正しく行われているかを確認するため、審査支払機関との「確認試験」の実施をお勧めします。確認試験が良好に終了しましたら、電子レセプト請求を開始するための「磁気テープ等を用いた請求に関する届出」を審査支払機関に提出してください。

導入費用はどれくらい

医療機関の規模や使用されている医事会計システムによっても異なりますが、ある大手メーカーの参考価格によれば次のとおりです。

基本マスタの種類

  新規導入の場合(単位・万円)
ソフト費 インストール費
診療所 0 25
病院(~200 床) 100 200
病院(~400 床) 150 300
病院(~600 床) 200 400

導入期間はどれくらい

移行作業にかかる期間は、審査支払機関との確認試験を含め概ね診療所で2か月、病院で3~6か月程度かかっているのが通例です。

レセプト電算処理システム導入スケジュール

(レセプト電算処理を導入した病院(200床)の実例)
※接続試験の実施は医療機関の任意です。

電子媒体の種類、規格

現在、請求できる電子媒体は、磁気テープ(MT)、フレキシブルディスク(FD)、光ディスク(MO)の3種類です。

種類 フォーマット・記録形式 規格 備考
JIS MS-DOS
固定項目長形式 固定項目長形式 CSV形式
磁気テープ(MT) JIS X 6101  
JIS X 6102 22形(1200ft)
27形(2400ft)
フレキシブルディスク(FD) JIS X 6211-1986 5インチ
JIS X 6223-1987 3.5インチ
光ディスク(MO) JIS X 6275-1997 90mm230MB