住宅改修と福祉用具の利用

 介護保険では、要支援/要介護と認定された人に対して、「福祉用具貸与」「福祉用具購入費の支給」のサービスがあります。
 住宅改修と福祉用具の利用は、身体機能の低下をハードの面から補う役目を果たすものとして、一体的に考える必要があります。たとえば、浴室改修の代わりに福祉用具のすのこや入浴台を使う、逆に車いす利用のために、住宅改修でスロープを設置するなど、両者をうまく組み合わせることで、効果的に住まいを整えることが可能になります。
 限られた費用のもとで住宅改修を有効に行うためにも、「福祉用具の利用で何が可能かその上でどの部分に改修が必要か」という視点を持って検討を行いましょう。

1.福祉用具貸与

  • ア.車いす
    自走用標準型・普通型電動・介護用手押型等
  • イ.車いす付属品
    クッション又はパッド・電動補助装置・テーブル・ブレーキ
  • ウ.特殊寝台
    サイドレールが取り付けてあるもの又は取り付けることが可能なものであって、背部又は脚部の傾斜角度が調節できる機能又は床板の高さが無断階に調整できる機能を有するもの
  • エ.特殊寝台付属品
    サイドレール・マットレス・ベッド用手すり・テーブル
  • オ.じょく瘡予防用具
    送風装置又は空気圧調整装置を備えた空気マット・水等によって減圧による体圧分散効果を持つ全身用マット
  • カ.体位変換器
    空気パッド等を身体の下に挿入することにより、体位を容易に変換できる機能を有するものに限り、体位の保持のみを目的とするものを除く
  • キ.手すり
    ・居宅の床において使用すること等により、転倒防止若しくは移動又は移乗動作に資することを目的とするもので取付に際し工事を伴わないもの
    ・便器又はポータブルトイレを囲んで据え置くことにより、座位保持、立ち上がり又は、移乗動作に資することを目的としたもので取付に際し工事を伴わないもの
  • ク.スロープ
    段差解消のためのものであって、取付に際し工事を伴わないもの
  • ケ.歩行器
    歩行が困難な者の歩行機能を補う機能を有し、移動時に体重を支える構造を有するものであって、2~4輪のものであっては、体の前及び左右を囲む把手等を有するもの、又は4脚を有するものにあっては、上肢で保持して移動させることが可能なもの
  • コ.歩行補助杖
    松葉杖、カナディアン・クラッチ、ロフストランド・クラッチ及び多点杖に限る
  • サ.痴呆性老人徘徊感知機器
    屋外へ出ようとした時等、センサーにより感知し、家族、隣人等へ通報するもの
  • シ.移動用リフト
    床走行式・固定式・据置式
    ※ 吊り具部分を除く
    ※ 取付に際し工事を伴わないもの

2.居宅福祉用具購入

  • 腰掛便座
    ア.和式便座の上に置いて腰掛式に変更
    イ.洋式便座の上に置いて高さを補う
    ウ.電動式又は、スプリング式で便座から立ち上がる際に補助できる機能を有する
    エ.便座、バケツ等からなり移動可能である便器
  • 特殊尿器
    尿が自動的に吸引されるもので要介護者又はその介護を行う者が容易に使用できるもの
  • 入浴補助用具
    (1)入浴用いす
    座面の高さが概ね35cm以上のもの又は、リクライニング機能を有するもの
    (2)浴槽用手すり
    浴槽の縁に挟み込んで固定することができるもの
    (3)浴槽内いす
    浴槽内に置いて利用することができるもの
    (4)入浴台
    浴槽の縁にかけて浴槽への出入りを容易にすることができるもの
    (5)浴室内すのこ
    浴室内に置いて浴室の床の段差解消を図ることができるもの
    (6)浴槽内すのこ
    浴槽内に置いて浴槽の底面の高さを補うもの
  • 簡易浴槽
    空気式又は折りたたみ式等で容易に移動できるものであって、取水・排水のために工事を伴わないもの
  • 移動用リフトの吊り具の部分
    身体に適合するもので、移動用リフトに連結可能なもの

3.居宅介護住宅改修

(1) 手すりの取付
(2) 床段差の解消
(3) 滑り防止及び移動の円滑化等のための床材の変更
(4) 引き戸等への扉の変更
(5) 洋式便器等への便器の取り替え
(6) その他(1)~(5)の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修

  • ア.手すり取付のための壁の下地補強
  • イ.浴室の床の段差解消のための給排水設備工事
  • ウ.床材変更のための下地補強や根太の補強
  • エ.扉取替に伴う壁又は柱の改修
  • オ.便器の取替に伴う給排水設備工事(水洗化又は簡易水洗化に係るものを除く)
    便器の取替に伴う床材の変更